ペットの引っ越し完全ガイド｜事前準備から手続き、輸送方法、ストレス対策まで徹底解説
- mokamoto7
- 10月20日
- 読了時間: 18分
「ペットを連れての引っ越し、どうすればいいの？」そんな疑問を持つ方に向けて、「ペットとの引っ越しに必要な準備や手続き」「輸送方法」「費用を抑えるコツ」「ペットのストレスを減らすコツ」などをまとめました。ペットの命と安心を守りながら、スムーズに新生活を始めたい方はぜひ参考にしてみてください！
ペットの引っ越し前に知っておくべき心構え
住み慣れた家からの引っ越しは、ペットにとって大きなストレスとなります。特に犬や猫は、新しい環境に慣れるまで不安や緊張を感じやすく、さまざまなストレス反応が現れることがあります。
ペットの引っ越しは「荷物の移動」ではなく、「家族の移動」です。そのため、引っ越しの際にはペットの心身の変化に十分に配慮し、適切な準備とサポートを心がけることが大切です。
引っ越し前に考えておくべきこと
新しい環境でペットが安心して生活を始められるようにするために、以下のポイントを事前に確認しておきましょう。
1. 新居の環境チェック
新しい住まいがペットにとって安全で快適かどうか、以下の点を確認しておきましょう。
ペット可物件かどうか（契約書にペットに関する条件が記載されているか）
近隣の散歩環境（公園や歩道の状況、車通りが多くないか）
音環境（車や電車の音、近隣の騒音など、ペットが敏感に反応しそうな音がないか）
室内の安全性（段差や床材、危険な隙間などはないか）
実際に新居を下見し、ペット目線で安全確認をすると安心です。
2. ペットの健康チェック
引っ越し前にかかりつけの動物病院で健康診断を受けておきましょう。以下の項目を確認しておくと安心です。
ワクチン接種の確認
混合ワクチンや狂犬病予防接種の接種状況を確認し、必要であれば接種を済ませておきましょう。
持病やアレルギーのチェック
健康状態を確認し、特に持病やアレルギーがある場合は、移動前に対策を立てておきましょう。
移動時の対処について相談
長距離移動が不安な場合は、移動時のペットのストレスや酔い対策を事前に相談しておきましょう。
新しい動物病院もあらかじめ調べておくと、引っ越し後すぐに対応できるため、万が一のトラブルにも備えられます。しかし、病院探しに時間がかかる場合もあるため、事前に信頼できる病院で診てもらうと安心です。
3.各種手続きの確認・準備
犬など、一部のペットには法的な届出が必要になります。申請漏れがないよう、忘れずにチェックしましょう。詳しくは「引越し前に必要な手続きと準備」の項目でご紹介しますが、主な内容は以下の通りです。
犬の登録住所変更（市区町村への届出）
狂犬病予防注射済票の再交付申請
ペット保険の住所変更（保険会社によって手続き方法が異なるので要確認）
地域によって手続きが異なる場合があるため、新居の自治体のホームページや窓口で事前に確認するとスムーズです。
引越し前に必要な手続きと準備
ペットと一緒に引っ越しをする際には、動物の種類によって、事前に自治体への届け出や各種手続きが必要になる場合があります。すべてのペットに手続きが義務付けられているわけではありませんが、特定の動物については法律で定められているため、事前に確認しておきましょう。
犬の引っ越しに必要な手続き
犬を飼っている場合、住所が変わった際の登録変更が法律で義務化されています。これは、狂犬病の予防・拡散防止のためで、すべての犬種が対象です。自治体から送られてくる狂犬病予防注射の案内がきちんと届くよう、引っ越し後は速やかに手続きを行いいましょう。
■ 市町村をまたぐ引越しの場合
引っ越し先の役所や保健所の窓口で「犬の登録事項変更届」を提出します。その際は、旧住所で交付された「犬鑑札」「狂犬病予防注射済証」と、印鑑を持参してください。
自治体によっては持ち物などが異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。なお、この届け出は、引っ越し後30日以内に行うことが定められており、違反した場合には、20万円以下の罰金が科される可能性があります。
■ 同一市町村内での引越しの場合
同じ市区町村内であっても、同様に「犬の登録事項等変更届」を役所や保健所の窓口へ提出します。この場合、犬鑑札はそのまま使用できます。
マイクロチップ情報の変更
令和4年6月から、ペットショップなどで販売される犬にはマイクロチップ装着が義務化されました。そのため、すでにマイクロチップが装着されているペットを迎えた方も多いかと思いますが、引っ越し後には必ずこちらの登録情報の住所変更も行いましょう。
この手続きは、環境省が指定する「犬と猫のマイクロチップ情報登録サイト」からオンラインで行えます。変更時は、登録証明書に記載された識別番号と暗証記号の情報が必要になります。事前に手元に準備しておくと、スムーズに手続きを進められます。
■ マイクロチップの特例制度について
一部自治体では、マイクロチップの登録変更だけで住所変更手続きが完了する「特例制度」があります。該当する自治体かどうかは、環境省の公式サイトに公開されている「特例制度に参加する市区町村一覧」から確認できます。
マイクロチップ情報の更新は、愛犬・愛猫が迷子になった際の手がかりとなる大切な手続きです。引っ越しの忙しさに紛れて忘れがちですが、安全のためにも必ず済ませておきましょう。また、マイクロチップは動物病院で簡単に装着できますので、まだ装着していない場合は、この機会に検討しましょう。
特定動物の引っ越しに必要な手続き
「特定動物」とは、ワニ、ヘビ、カミツキガメなど、人に危害を加えるおそれのある危険な動物とその交雑種のことです。特定動物は令和2年6月1日から愛玩目的等で飼養することが禁止されました。ただし、規制前から飼っていた場合は許可を受ければ飼い続けることが可能です。
引っ越しの際には、飼育施設が新住所でも特定動物の飼育基準を満たしているかを確認する必要があります。また、特定動物を輸送できる業者は限られているため、自分で連れて行くのか、専門の輸送業者に依頼するのか、あらかじめ判断しておく必要があります。
■ 特定生物の引っ越しは都道府県の担当部署に届け出る
引っ越しの手続きについては、まず現在登録している都道府県の担当部署に連絡して相談しましょう。その後、引っ越し先の都道府県にも届け出を行い、新たな許可を得る必要があります。この届け出は、引っ越し後30日以内に行うことが定められており、無届けのまま飼育を続けた場合には、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
珍しい種類の場合は手続きに日数がかかることもあります。引っ越しの予定が決まった時点で、できるだけ早めに相談・申請を始めましょう。
ペットの移動手段と料金相場
引っ越し当日の「ペットの移動」は慎重に行う必要があります。状況や距離に応じて最適な方法を選びましょう。
ペット輸送専門業者（ペットタクシー）に依頼する
長距離の引っ越しや、飼い主自身が一緒に移動できない場合には、ペットの移動を専門に行う業者に依頼するのが安心です。公共交通機関の利用に不安がある方や、大型犬を安全に運びたい場合などにも便利な手段です。
多くの業者では、ケージに入らない大型犬でも乗車できる「ケージフリー対応車両」を用意されており、犬や猫はもちろん、小動物や鳥類、爬虫類などにも対応しています。
また、ペット1頭ずつを丁寧に扱う専用プランを提供している業者も多く、健康管理や安全対策にも配慮されています。料金は、距離や輸送方法、動物の種類によって異なりますが、例えば新宿区から足立区へ犬1匹を陸送した場合、費用の目安は約7,000円〜となっています。
引っ越し業者のオプションを利用する
一部の引越し業者では、ペットの輸送サービスに対応しているところもあります。家具や荷物と一緒にまとめて手配できるため、手間が少なくて便利です。
ただし、国土交通省の定める「標準引越運送約款」により、ペットを家具と同じトラックに載せることは禁止されているという点には注意が必要です。別の専用車両での輸送となり、追加料金が発生する可能性があります。また、業者によって対応できるペットの種類や条件が異なるため、依頼する前に必ず詳細を確認しておきましょう。
自分で輸送する（車・電車・飛行機など）
■ 自家用車を利用する
自家用車を使っての移動は、もっともコストを抑えられ、ペットにとっても飼い主と一緒にいられる安心感があります。特に市区町村内や県内などの近距離の引っ越しでは、この方法がよく選ばれています。
ただし、移動に慣れていないペットは、車酔いや不安から体調を崩してしまうこともあります。できれば引っ越し前に、短時間のドライブを繰り返し行い、移動に慣れさせておくとよいでしょう。
移動日当日は食事を控えめにし、こまめに休憩を取りながら、十分な水分補給と排泄の時間を確保してください。夏場は特に車内が高温になりやすいため、熱中症対策は万全にしておきましょう。マナーパンツやペットシーツの準備も忘れずに行いましょう。
また、猫を車で移動させる場合は、移動中にキャリーバッグからなるべく出さないようにしましょう。キャリーバッグの中にはトイレシートを敷き、お気に入りのおもちゃなども入れて、少しでも安心できる環境を作ってあげることが大切です。
■ 公共交通機関（電車・新幹線・バス・タクシー）を利用する
【電車・新幹線】
電車や新幹線を利用する場合、ペットは「手回り品」として扱われ、専用の切符（普通手回り品きっぷ）を購入する必要があります。切符は乗車駅の改札口などで購入することができます。利用には条件があり、中型犬や大型犬の利用は難しいケースがほとんどです。そのため小型犬や猫、小動物の移動に適しています。
なお、新幹線にはペット専用の座席はないため、キャリーを足元や膝の上に置く形で乗車することになります。
混雑時は利用を断られることもありますので、可能な限り混雑する時間帯を避けて利用するようにしましょう。
【バス】
路線バスも、基本的にはペットを車内に持ち込むことは可能ですが、必ずキャリーバッグなどに入れ、他の乗客の迷惑にならないよう配慮する必要があります。
大型犬は持ち込み不可であり、他のペットの場合も鳴き声やにおい、アレルギーなどへの配慮から、状況によっては乗車を断られることもあります。
高速バスや長距離バスの場合は、ペットの持ち込みが禁止されていることが多いため、事前に各バス会社の規定を必ず確認しましょう。
【タクシー】
タクシーでは、事前に運転手やの了承があればペットの同乗が可能です。ただし、運転手やタクシー会社によって対応は異なるため、注意が必要です。
鳴き声が大きい場合やにおいが強い場合、またアレルギーを理由に乗車を断られる可能性もあるため、事前にタクシー会社へ相談しておくと安心です。
乗車時は、ペットをキャリーケースに入れ、タオルやペットシートなどで座席が汚れないよう十分に配慮しましょう。
【飛行機】
飛行機でペットを輸送する場合は、盲導犬・聴導犬などの介助犬を除き、基本的に受託手荷物として、貨物室へ預けることになります。ただし、飛行機による移動は気温・気圧の変化、騒音などによって、ペットにとって大きな負担となる可能性があります。こうした環境の変化が原因で、体調を崩してしまうケースがあるため、やむを得ない場合を除き、飛行機での移動は慎重に検討する必要があります。
飛行機を利用する際は、必ず事前に航空会社の公式サイトや窓口で情報を確認し、必要な手続きを済ませておきましょう。
短頭犬種（ブルドッグやシーズー、パグなど）は、他の犬種と比較して熱中症や呼吸困難を引き起こす恐れが高く、輸送を断られる場合があるため注意が必要です。
輸送方法の選び方のヒント
近距離 & 自家用車が使える場合： コスト重視で車移動が◎
小動物の安価な移動： 公共交通機関（電車）が有力だが条件あり
大型犬や特殊な動物： 専門業者が最も安心
遠距離移動： 飛行機や輸送業者を検討
ペットの移動方法は多岐にわたりますが、それぞれにメリットと注意点があるため、ペットの性格や体調、移動距離、当日のスケジュールなどに応じて、最も安心できる方法を選ぶことが大切です。ペットのストレスを最小限に抑え、引っ越し当日をできるだけ穏やかに過ごせるよう、事前の準備と配慮を忘れないようにしましょう。
引っ越し料金を抑えるコツ
ペットとの引っ越しは費用がかかりますが、引っ越し費用を抑える工夫をすることで、全体の負担を軽減できる場合があります。
複数の業者に見積もりを取る
複数の引っ越し業者から見積もりを取り、価格やサービス内容を比較しましょう。業者によって料金は異なり、比較することで値引き交渉がしやすくなります。
不要な物を減らす
引っ越しを機に不要な物を手放しましょう。リサイクルショップやフリマアプリで売ることで、収入にもつながり、荷物の量を減らせばトラックのサイズや作業時間も短縮できます。
引っ越しの時期を選ぶ
引っ越しの繁忙期（特に3月・4月）は料金が高くなりがちです。可能であれば、この時期を避けて引っ越しを行うと、同じサービス内容でも引っ越し料金が安くなることがあります。
自分でできる作業は自分でする
梱包や荷物の搬出・搬入など、自分たちでできる作業はできる限り自分たちで行うことで費用を抑えられます。ペットの移動についても、専門業者以外に自家用車や公共交通機関を利用する方法があります。ただし、安さを追求しすぎてペットの安全を犠牲にしてはなりません。料金だけでなく、安心・安全を重視し、バランスの取れた選択を心がけましょう。
新居に着いてからのストレスケアと注意点
引っ越し先に無事到着したら、いよいよ新しい生活の始まりです。しかし、ペットにとっては「知らない場所に突然連れてこられた」という状況であり、不安やストレスを感じやすいタイミングでもあります。安心して新生活をスタートするためには、最初の数日間をどう過ごすかがとても重要です。
新居での慣らし方
まず、新しい住まいに着いたら、すぐにすべての部屋を自由に歩かせるのではなく、ペット専用の落ち着けるスペースを一つ用意してあげましょう。その部屋には、これまで使っていたベッドや毛布、おもちゃなど、においのついたアイテムを置くことがポイントです。いつものにおいに囲まれることで、不安な気持ちが少しずつ和らいでいきます。
新しい環境に慣れるまでの間は、できるだけ普段と同じ生活リズムを保つようにしましょう。たとえば、食事の時間や散歩のタイミングを変えずに続けることで、ペットにとって「いつも通りの日常」が感じられ、安心感を得ることができます。
特に犬の場合は、到着してすぐに家の中を自由に歩かせるよりも、最初はリードをつけて一緒にゆっくりと探索する方が安心です。まずは匂いを嗅がせながら、少しずつ新しい空間を把握させていきましょう。最初のうちは、長時間ではなく短時間ずつ慣らしながら、段階的に行動範囲を広げていくのが理想です。
ペットのストレスサインを見逃さない
引っ越し直後のペットは、外見では元気そうに見えても、内面では大きなストレスを感じていることがあります。犬であれば、吠え続けたり、落ち着きがなかったり、食欲が落ちたりといった変化が見られるかもしれません。猫の場合は、家具の隙間などに隠れて出てこなくなったり、トイレの失敗が増えることもあります。
こうしたストレスのサインに気づいたときは、無理に構ったり叱ったりせず、まずはそっと見守ることが大切です。それでも症状が長引く場合や、嘔吐・下痢などの体調不良が見られた場合は、なるべく早く動物病院で診察を受けるようにしましょう。
愛情と時間をかける
新しい環境に慣れるスピードは、犬や猫の性格によって異なります。1日で平気になる子もいれば、数週間かかる子もいます。焦らず、ペットのペースに合わせて、ゆっくりと時間をかけることが大切です。
不安そうな様子が見られたら、飼い主がそばにいるだけでも安心感につながります。引っ越し後はできるだけ一緒に過ごし、いつもより多めにスキンシップの時間をとったり、落ち着いた声で話かけてあげましょう。そして、落ち着いて過ごせている様子が見られたら、たっぷり褒めてあげることも忘れずに。安心できる空間と飼い主の愛情があれば、新しい暮らしもきっとスムーズにスタートできるはずです。
よくある質問（Q&A）
Q. 引っ越し後の掃除は必要？
特にペットを飼っている場合、旧居・新居ともに掃除をしっかり行っておくことが大切です。旧居が賃貸物件の場合、ペットによる汚れや傷、破損があると、修繕費用を請求されることがあります。特に、ベッドやトイレ周り、ケージのあった場所など、長時間ペットが使用していた場所は、汚れやにおいが残っていることが多いため、念入りに掃除しておきましょう。
また、新居も、入居前に一度掃除をしておくことで、清潔な環境で気持ちよく生活をスタートできます。特にペットが使用する予定のスペースに、前の入居者のにおいが残っている場合があります。ペットがにおいに敏感な場合は、落ち着かず不安になることもあるため、消臭・除菌対策をしておくのがおすすめです。
Q. 引越し後のご近所挨拶はした方がいい？
ペットを飼っている場合、ご近所への挨拶は重要です。特に犬や猫などは、鳴き声やにおいなどで近隣に影響を与える可能性があります。事前にペットがいることを伝えておくと、万が一迷惑をかけてしまった際にも理解を得やすく、関係性を良好に保つ助けになります。さらに、近隣に他のペットを飼っている人がいれば、動物病院の情報交換や散歩仲間として交流が生まれることもあります。
まとめ
ペットとの引っ越しは、しっかりとした準備とペットへの細やかな配慮が必要となります。決して他の荷物と同じように扱うことなく、「家族の一員」として、ペットが安心できる環境を作ってあげることが大切です。新しい生活のスタートがスムーズにいくよう、ぜひこの記事を参考にして、ストレスの少ない引っ越しを心がけましょう。
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